連載企画【第3話】リサーチ地獄:売れる商品が見つからない!初めての失敗と学び

 

進むべき道は定まった。しかし、次なる壁はもっとシンプルで、もっと手強かった。

「一体、何を仕入れれば売れるんだ?」

僕は来る日も来る日も、仕事から帰ってきてはPCにかじりついた。Amazonのランキングを眺め、アリババのサイトを彷徨う。しかし、売れる商品の見当もつかない。ランキング上位は有名ブランドばかり。かといって、アリババに並ぶ無数の商品を見ても、どれが日本で需要があるのかさっぱりわからない。

焦りだけが募っていく。

「えいやっ!もう、理屈より実践だ!」

僕は半ばヤケクソで、「安ければ何でも売れるはずだ」という素人丸出しの考えに飛びついた。アリババで見つけた、1個数十円のスマホリングと、デザインが少し変わったボールペン。これをテスト的にそれぞれ50個ずつ、仕入れてみることにした。

数週間後、自宅に届いた小さな段ボール。胸を高鳴らせながらAmazonに出品したが、現実は非情だった。1週間経っても、2週間経っても、注文管理画面に「1」の数字が灯ることはない。僕の記念すべき初仕入れは、数千円の赤字と、リビングの隅でホコリをかぶる50個のスマホリングとボールペンに変わった。

「ほら、やっぱり甘くないのよ」という妻の冷ややかな視線が、心をえぐった。

このままじゃダメだ。何が間違っていたんだ? 僕は原点に立ち返り、Amazonで売れている「ノーブランド品」のページを、それこそ血眼になって分析し始めた。レビューを一件一件読み込み、お客様が何に満足し、何に不満を持っているのかをノートに書き出す。その時、ようやく自分の致命的な過ちに気づいた。

僕は「自分が売りたいもの」を探していた。探すべきは「お客様が買っているもの」だったのだ。

解説:絶対に間違えてはいけない、リサーチの鉄則

物販ビジネスの成功は、9割がリサーチで決まります。初心者が陥る最大の失敗は、かつての僕のように

「主観」で商品を選んでしまう

ことです。リサーチの正しい手順は、必ずこの順番を守ってください。

①【需要の確認】Amazonで「すでに売れている」という事実を探す

・まずはAmazonがスタート地点です。ここで「お客様がお金を払って買っている商品」を見つけます。

・具体的なテクニックとして、Amazonの検索窓に「ノーブランド品」と入力して検索する方法があります。
これにより、中国から輸入されている可能性が高い商品が見つけやすくなります。

・商品のレビュー数や評価、出品時期などから「本当に売れているか」を分析します。


②【供給の確認】アリババで、同じ商品や類似商品を探す

Amazonで売れている商品を見つけたら、初めてアリババのサイトを開きます。
画像検索機能などを使って、仕入れられる商品を探します。

③【利益の計算】本当に儲かるのか、数字で判断する

仕入れ値とAmazonでの販売価格がわかったら、手数料や送料を考慮して利益計算をします。
ここで利益が出ると判断できて、初めて「仕入れる」という決断ができます。

「需要→供給→利益」

この順番は絶対です。この原則に気づいてから、僕のリサーチは闇雲な作業から、根拠のある分析へと変わっていきました。