連載企画【第4話】魔境アリババ:中国語ゼロ!怪しい業者を避け、初めての国際取引

正しいリサーチ手順を学び、僕はついに「これならいけるかもしれない」と思える商品をいくつか見つけ出すことができた。それは、特定の趣味で使われる、少しニッチな収納ケースだった。

しかし、次の壁は「言語」と「信用の壁」だった。

仕入れ先となるアリババ(1688.com)のサイトは、当然ながらすべて中国語。ページ翻訳機能を使っても、専門用語や細かいニュアンスは意味不明だ。業者のページに並ぶ「誠信通」「実力商家」といったマークも、何を意味するのかわからない。

「この業者は本当に存在するのか?」「お金を払って、商品が届かなかったらどうしよう?」

海外の、顔も見えない相手との取引。詐欺への恐怖が頭をよぎり、発注ボタンを押す指が震える。

僕は勇気を出し、翻訳アプリを片手に、いくつかの業者に在庫や価格について問い合わせてみた。しかし、返信が全く来ない。返信が来ても、こちらの意図が伝わっていないのか、話が噛み合わない。挙げ句の果てに、一つの業者から取り寄せたサンプルは、商品ページの写真とは似ても似つかない粗悪品だった。

心身ともに消耗しきっていたその時、僕はリサーチの過程で何度も目にした「輸入代行業者」という存在を思い出した。藁にもすがる思いで、実績のありそうな一社に問い合わせのメールを送った。

数時間後、返ってきたのは丁寧な日本語のメールだった。僕が仕入れたい商品のURLを伝えると、彼らは僕の代わりに工場へ在庫確認や価格交渉、そして品質についての細かい質問までしてくれた。言葉の壁、決済の不安、品質の懸念…僕が抱えていた問題が、専門家が間に入ることで一気に氷解していくのを感じた。

■解説①:AIツールと代行業者で「言葉の壁」を乗り越える

中国語ができないことが、もはや参入障壁にならない時代です。その理由は、テクノロジーの進化と専門サービスの存在です。

  • AI仕入れ支援ツール「AIBUY」の活用:
    こういったツールを使えば、Amazonの商品ページから画像検索するだけで、アリババで同じ商品や類似商品を一瞬で見つけ出すことができます。さらにAI翻訳チャット機能を使えば、日本語で入力した内容をビジネスレベルの自然な中国語に変換して業者と交渉でき、言葉の壁はほぼなくなります。
  • 優良サプライヤーの見極め方:
    アリババの業者ページでは、店舗評価(牛のアイコンの数など)や取引実績、リピート率が信用の指標になります。しかし、最終的には必ず**「サンプル注文」**をしてください。実際に自分の目で品質を確かめる以上に確実な方法はありません。

■解説②:なぜ「輸入代行業者」が必要不可欠なのか?

初心者が中国輸入を始める上で、信頼できる輸入代行業者は必須のパートナーです。彼らは単なる翻訳係ではありません。

  • 決済・送金代行: 安全な決済を代行してくれます。
  • 工場との交渉: 価格やロット数の交渉を有利に進めてくれることがあります。
  • 検品: これが最も重要です。中国国内の拠点で、商品に汚れや破損がないか、数が合っているかなどを、日本に発送する前にチェックしてくれます。不良品がそのまま日本に届くリスクを大幅に減らせます。
  • 国際発送・通関: 複数の工場から購入した商品を一つにまとめて(同梱)、国際送料を安くしてくれます。面倒な通関手続きも代行します。

代行手数料はかかりますが、それ以上にトラブルのリスクを回避し、時間と労力を節約できるメリットは計り知れません。僕は、この「餅は餅屋」という選択をしたことで、ようやく本格的な仕入れへのスタートラインに立つことができたのです。